春日若宮おん祭って?2016の日程や見どころなど
毎年、奈良県で開催されている「春日若宮おん祭」をご存知ですか?
なんと800年以上も途切れることなく今まで開催されてきた日本最古の文化芸能です。
祭典は3日間に渡って行われ、古くから受け継がれてきた日本芸能を見る事が出来ます。
奈良公園が1年で最も盛り上がるこの時期、どんな事が行われているのか、見どころなどをご紹介します!
春日若宮おん祭とは?
平安時代の公卿(※くぎょう)である藤原忠通公は、長年にわたる大雨や洪水により飢饉が相次ぎ、天下に疫病が蔓延してしまい、万民救済の為に若宮の御霊威にすがりました。
そして、保延元年1135年に現在地に大宮(本社)と同じ規模の壮麗な神殿を造営したと伝えられています。
水徳の神と仰がれていた若宮の御神助を願い、翌年(1136年)、春日野に御神霊をお迎えして丁重なる祭礼を奉仕したのが、おん祭の始まりです。
願った甲斐あって若宮の御利益はあらたかでした。長雨洪水も治まり、晴天の日が続いたといいます。以後、五穀豊穣や万民安楽を祈り大和一国を挙げて盛大に執り行われ、今日まで途切れることなく行われてきました。
(※公家の中でも日本の律令の規定に基づく太政官の最高司令官部)
2016年の日程
毎年12月15日~18日に行われています。
12月16日 14:30 大和士宵宮詣/15:00 田楽座宵宮詣/16:00 宵宮祭
12月17日 0:00遷幸の儀/13:00 松の下式/ 14:30 お旅所祭・稚児流鏑馬/23:00 還幸の儀
12月18日 13:00 奉納相撲/14:00 後宴能
見どころ
期間中は、多くの神事や舞などの古典芸能を見ることができますが、ここでは特に見どころをご紹介します。
【15日】
大和士や巫女さんの華やかな行列が町を練り歩く大宿所詣が行われます。
その後、大宿所では「大宿所祭」があり「御湯立(おゆだて)」という行事が行われます。
「御湯立」とは、巫女さんが笹の葉でお湯を降り注ぎ、鈴を鳴らしてお祓いをする行事で、特に安産を願う人達が多く来られます。
【16日】
この日行われる宵宮祭は、明日に行われる遷幸の儀に先立って、若宮神前に“御戸開の神饌を奉り、祭典の無事執行を祈る行事が行われます。
この後に、若宮本殿は白の(みとばり)で覆われます。
御幌は、正絹で出来ていて、風も無いのに揺らぐと神様が喜んでいると伝えられています。
14時からは大和士(やまとざむらい)が流鏑馬児と共に神事参勤の無事を祈って若宮社前へ御幣を奉り、15時からは田楽座によって本社と若宮で田楽が奉納されます。
【17日】
いよいよ0時「遷幸の儀」が行われます。
遷幸の儀とは、若宮様は17日0時に若宮神社ご本殿を出発され「お旅所」という仮の御殿へ行かれます。雅楽の調べが奏でられ、暗闇の中、松明やお香をもった人達が道を清めます。その後を若宮様がお進みになるという非常に神秘的な儀式です。
若宮様がお旅所に到着すると、1時頃から「暁祭」という祭が始まります。
朝のお食事がお供えされ、巫女さんが神楽を舞います。
12時からは、「お渡り式」が行われ、巫女さんや芸能集団など、祭礼に加わる人々がお渡りをします。これは若宮様の御旅所に参勤する行列で、様々な時代の衣装を着た人たちが列を成し、華やかで見応えがあります。
13時からの「松の下式」では、一の鳥居をくぐった先の「影向(ようごう)の松」という松の木の前で、いろいろな芸能が披露されます。お稚児さんの「流鏑馬」や、二頭の馬が競争する「競馬」も行われます。
毎年、有料座席も用意されていますので、近くで見たい方は是非申し込みをしましょう!近日中に案内が発表される予定です。
14時30分からは、「お旅所祭」が行われます。
お渡り式の行列のかけ声が、まだ参道に響いている中を神職が参進し、若宮様に色彩豊かな大変珍しいお食事をお供えします。仮御殿の前には芝の舞台があり、巫女さんの神楽をはじめ、お渡りをした人々による、田楽や細男、舞楽など古くから日本に伝わる芸能が次々と奉納され22時30分頃まで続けられます。
すべての芸能が終わると、若宮様は18日0時までにご本殿に戻られ、「還幸の儀」が行われます。
※遷幸の儀、還幸の儀では全ての照明点灯、一切の写真、動画撮影が禁じられています。